年末調整のあとに保険を見直すとき|控除と解約・入り直しの順番

年末調整のあとに保険を見直すとき|控除と解約・入り直しの順番 コラム

この記事の結論

年末調整で生命保険料控除証明書を見たときは、保険証券も一緒に出して、保険を見直すきっかけにできます。見直すときは、控除より先に保障の中身から考えます。

  1. 保障の中身を確かめる(何に備え、いつまで続くか)
  2. 足りない分と重なりを見る
  3. 変える前に、控除の区分がどう変わるかを確かめる(古い契約から入り直すと、計算のしかたが変わることがある)
  4. 新しい保険に入るなら、保障が始まってから今の保険を判断する

控除は、必要な保障に入った結果として受けるものです。控除のために、入る・やめる時期を決めないようにしましょう。

年末調整のあとに見直しやすい理由

年末調整では、今年払う保険料を、控除証明書を見ながら区分ごとに書き出します。その控えや証明書を見ると、どの保険に、どの区分で、いくら払っているかが分かります。

年の途中で解約しても、解約するまでに払った保険料は、その年の控除の対象です(国税庁)。年末調整で書いた額と、実際に払った額が違ってきたときは、直しが要るかを勤務先に確かめましょう。

見直しの4つの順番

年末調整のあとに保険を見直すときの4つの順番。1 保障の中身を確かめる:控除証明書と保険証券で、何に備え、いつまで続くかを見る。2 足りない分と重なりを見る:公的な保障と合わせて比べる。3 変える前に、控除の区分の変わり方を確かめる:2011年12月31日以前の契約から入り直したり、更新したりすると、新しい制度で計算する。4 新しい保険は保障が始まってから、今の保険を判断する:解約を先にしない。控除は、必要な保障に入った結果として受けるもの

1. 保障の中身を確かめる

保険証券や契約内容のお知らせから、何に備えている保険か、保障がいつまで続くか、更新で保険料が変わるかを見ます。

2. 足りない分と重なりを見る

公的な保障(遺族年金・高額療養費制度など)と今の保険を合わせて、足りない分や、同じことに2つで備えている重なりがないかを確かめます。

3. 変える前に、控除の区分がどう変わるかを確かめる

入り直しや特約の変更で、控除の計算が変わることがあります(次の章)。

4. 新しい保険に入るなら、保障が始まってから今の保険を判断する

先に今の保険を解約すると、健康状態によって新しい保険に入れなかったり、保障のない期間ができたりすることがあります。新しい保険の保障が始まったのを確かめてから、今の保険をどうするかを決めます。

入り直しで変わる控除の区分

生命保険料控除は、契約した時期で計算のしかたが違います。国税庁によると、2011年12月31日以前の契約は「旧契約」、2012年1月1日以後の契約は「新契約」として計算します(所得税の場合)。

  • 区分:旧契約は「一般の生命保険料」「個人年金保険料」の2つで、医療保険などの保険料も一般の生命保険料に入る。新契約では、医療保険などは「介護医療保険料」という別の区分になる
  • 一般の生命保険料の上限:旧契約は最高5万円。新契約は最高4万円(2026年分・2027年分は、23歳未満の扶養親族がいる場合は最高6万円)
  • 合計の上限:旧契約だけなら最高10万円。新契約を含めると、区分を合わせて最高12万円

古い契約をやめて新しく入り直すと、新しい保険の保険料は新契約として計算します。また、古い契約でも、2012年1月1日以後に特約を付けたり、更新したりすると、新契約とみなされます(国税庁の質疑応答)。控除の額が変わることもありますが、判断の中心は保障の中身です。控除の額は、見直しの結果として確かめましょう。

まとめ

  • 年末調整で控除証明書を見たときは、保険証券も出して見直すきっかけにできる
  • 順番は、保障の中身 → 足りない分と重なり → 控除の区分 → 新しい保険の保障開始のあとに今の保険を判断
  • 2011年以前の旧契約から入り直す・更新すると、新契約の計算になる
  • 年の途中で解約しても、解約までに払った保険料はその年の控除の対象。年末調整で書いた額と違ってきたら勤務先に確かめる
  • 控除のために入る・やめる時期を決めない

ご相談のご案内

この記事では、年末調整のあとに保険を見直す順番を、一般的にまとめました。ご相談では、控除証明書と保険証券をもとに、今の保険が何に備えているか、足りない分や重なりがないかを一緒に整理し、見直すかどうかをご自身で決められるようにします。今のままでよい、という結論になることもあります(相談無料/対面:香川・徳島、オンライン:全国)。税金の計算そのものは、勤務先・税務署・税理士にご確認ください。

※この記事は、税と保険の一般的な説明です。特定の保険会社・商品をおすすめするものではありません。控除額は所得から差し引く額で、税金がその額だけ戻るものではありません。控除の計算は、契約の内容や扶養親族の状況によって違います。個別の判断は、勤務先・税務署・税理士にご確認ください。


出典

(2026年10月22日時点の情報です)

この記事を書いた人

西岡 竜二(にしおか りゅうじ)。if株式会社 代表取締役。2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP。徳島県美馬市出身。2014年に生命保険会社に入社し、新人部門で営業成績1位・本社表彰。新人の育成や管理職も経験。2022年にif株式会社を設立し、生命保険代理店「Life Design if」での保険とお金の相談、バックオフィス支援、研修・セミナーの3つの事業をしています。「商品を選ぶ前に、人生を考える」を大切に、保険とお金の「分からない」に答えるコラムを書いています。詳しいプロフィール ›

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