出産のお金はいくら? かかるお金と、返ってくる・もらえるお金

出産のお金はいくら? かかるお金と、返ってくる・もらえるお金 コラム

この記事の結論

出産のお金は、かかるお金と、返ってくる・もらえるお金に分けて考えると、手元から出ていく額の見当がつきます。

  • かかるお金:正常分娩の出産費用は、全国平均で約50.7万円(2023年度、室料差額などを除く)。施設や地域で大きく違う
  • もらえるお金:出産育児一時金(原則50万円)。会社員などで、出産のために休んで給与が出ない場合は出産手当金
  • 返ってくる・軽くなるお金:帝王切開などは健康保険が使え、高額療養費制度の対象。医療費控除で税の負担が軽くなることもある
  • これから変わること:出産の標準的な費用の自己負担をなくす法律が、2026年5月に成立。始まる時期や金額は、厚生労働省のページではまだ示されていない

かかるお金

生命保険文化センターがまとめた厚生労働省の資料によると、2023年度の正常分娩の出産費用(室料差額などを除く)の平均は、全施設で506,540円でした。

ここに、個室を選んだときの差額や、希望して受けるサービスの費用が加わることがあります。出産する施設の費用は、厚生労働省の「出産なび」で調べられます。

もらえるお金・返ってくるお金

出産のお金の全体(説明のための整理)。かかるお金は、正常分娩の出産費用が全国平均で約50.7万円(2023年度、室料差額などを除く)。もらえるお金は、出産育児一時金が原則50万円(産科医療補償制度に加入する施設で、在胎週数22週以降の出産)、会社員などで出産のために休んで給与が出ない場合は出産手当金。返ってくるお金は、帝王切開などで健康保険を使ったときの高額療養費。医療費控除(出産育児一時金は差し引く)で税の負担が軽くなることもある

出産育児一時金

公的医療保険に入っている方が出産したとき、子ども1人につき原則50万円が受け取れます(産科医療補償制度に加入する施設で、在胎週数22週以降に出産した場合。それ以外は48.8万円)。施設に直接支払われる仕組みを使うと、窓口では、費用が一時金を超えた分だけを払います。費用が一時金より少なかったときは、差額を申請して受け取れます(協会けんぽの場合)。

出産手当金

会社員などが入る健康保険の、被保険者本人が対象です。出産のために会社を休み、給与が出ないとき、出産の日以前42日(双子などは98日)から、出産の翌日以後56日までの範囲で、休んだ日について支給されます。予定日より遅れて出産したときは、遅れた日数の分も対象です。1日あたりの額は、原則として直近12か月の標準報酬月額の平均を30で割った額の3分の2です。給与が出ても、この額より少なければ差額が支給されます(協会けんぽ)。

帝王切開などのときの高額療養費

正常な出産は健康保険の診療の対象になりませんが、帝王切開などによる出産は健康保険が使えます。その健康保険が使える部分の自己負担には、高額療養費制度で1か月の上限があります。個室などの差額や入院中の食事代は、上限の計算に入りません。

医療費控除

妊娠と診断されてからの健診・検査や通院の費用、入院費用の一部として払う入院中の食事代などは、医療費控除の対象です(国税庁)。計算するときは、出産育児一時金などで受け取った額を差し引きます(出産手当金は差し引きません)。医療費控除は所得から差し引く仕組みで、税の負担が軽くなることがある制度です。払った費用がそのまま戻るものではありません。

これから変わること(見直しの途中)

2026年5月29日、医療保険制度を見直す法律が成立しました。厚生労働省によると、出産の標準的な費用に自己負担がかからないようにするなど、出産の経済的な負担を軽くする内容です。手術などが必要になったときの追加の負担や、希望して選ぶサービスは対象外とされています。

いつから始まるか、どのような金額になるかは、厚生労働省のページでは、まだ示されていません(2026年10月22日時点)。出産の時期が近い方は、出産する施設と、加入している健康保険の案内で確かめましょう。

子どもが生まれると、家族の暮らしを支えるお金の考え方も変わります。保険を見直すときは、遺族年金などの公的な保障から、足りない分を考えます。

まとめ

  • 正常分娩の出産費用は、全国平均で約50.7万円(2023年度、室料差額などを除く)
  • 出産育児一時金は、子ども1人につき原則50万円
  • 会社員などは、出産のために休んで給与が出ないとき、出産手当金がある
  • 帝王切開などは健康保険が使え、高額療養費の対象。医療費控除は一時金を差し引いて計算し、税の負担が軽くなることがある
  • 出産の標準的な費用の自己負担をなくす見直しは、法律が成立。始まる時期や金額は、厚生労働省のページではまだ示されていない

ご相談のご案内

この記事では、出産でかかるお金と、返ってくる・もらえるお金を、一般的にまとめました。ご相談では、加入している健康保険の給付と、今入っている保険の中身を一緒に整理し、子どもが生まれたあとの暮らしに合う保障を、ご自身で決められるようにします。今の保険のままでよい、という結論になることもあります(相談無料/対面:香川・徳島、オンライン:全国)。

※この記事は、公的制度と保険の一般的な説明です。特定の保険会社・商品をおすすめするものではありません。給付の額や手続きは、加入している健康保険(健康保険組合・国民健康保険など)によって異なります。医療費控除の個別の判断は、税務署にご確認ください。


出典

(2026年10月22日時点の情報です)

この記事を書いた人

西岡 竜二(にしおか りゅうじ)。if株式会社 代表取締役。2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP。徳島県美馬市出身。2014年に生命保険会社に入社し、新人部門で営業成績1位・本社表彰。新人の育成や管理職も経験。2022年にif株式会社を設立し、生命保険代理店「Life Design if」での保険とお金の相談、バックオフィス支援、研修・セミナーの3つの事業をしています。「商品を選ぶ前に、人生を考える」を大切に、保険とお金の「分からない」に答えるコラムを書いています。詳しいプロフィール ›

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